ちりんの能登応援 2024年活動報告

2024年1月の震災で、私たちが住んでいる宝達志水町や羽咋市等を含めた、いわゆる「口能登(くちのと)」エリアも倒壊や断水などの被害がありましたが、幸い生活に比較的影響が少なかった私たちは、被害が大きいエリアに住む方達に何かできないかと、輪島市や珠洲市、能登町、穴水町、志賀町、能登島などに物資を届ける活動や災害ボランティアに参加するなどしてきました。そして、その当時はまだボランティアさんが宿泊できるところが少なかった事もあり、「ボランティアさんが泊まれるところを作ろう」そして「能登に人を呼ぼう」と思い、このゲストハウス「Chirin(ちりん)」を6月にオープンしました。

当初は自分たちの資金や友人たちから預かった寄付金で「能登応援」活動の資金にしていましたが、広く継続的な支援を続けるために、宿泊されたお客さまや知人・友人に対して自家焙煎の「チャリティーコーヒー豆」をウェブサイトやゲストハウス内で販売することにしました。この売上の全額を、訪問したボランティアベースに寄付する物資の購入費や、交通費に当てさせていただきました。

販売していたチャリティコーヒー豆セット

輪島市門前町「インスパイアベース」さんにボランティアへ

2024年秋頃から輪島市門前町の「輪島インスパイアベース」さん(*金沢市や宝達志水町を拠点に事業を行う住宅資材・木材を扱う企業「株式会社ムラモト」の社長様からご紹介いただきました。)に何度かボランティア作業のお手伝いと、物資のお届けに行かせていただきました。

ここは門前町エリアの被災者の生活全般の支援を行い、また、ボランティア団体「RQ能登」さんのベースとして活用できるよう整備されており、そして被災されたエリアの方が集い、困り事の相談や互いの近況などを話すコミュニティスペースともなっています。

宝達志水町や羽咋市で農業に携わる仲間達や、宝達志水町にある「応援サポートハウス おばちゃんち」の中町さん、もと同僚の埼玉県で農業を営む初山くんや長野県の伊崎くん、和歌山のみかん農園の善九さんなどから、野菜・果物をお預かりし、チャリティコーヒー豆で得た寄付金でその他の食材を購入し、お届けしました。特に野菜や果物はレトルト中心の生活をするなかで求めている方が多く(野菜の値段の高騰もあり買い控える方も多い)、あっという間になくなったと教えてくださいました。

代表の田谷さんやスタッフの真鍋さん、そしてボランティア作業に参加されていた県外の方々とお話ができ、長引く被災生活の現状や、復興の難しさなど様々な課題を知る機会となりました。

代表 田谷さん(右)
真鍋さん(左)

輪島朝市の「細道商店」さんの干物セット

フェアトレードで食品や雑貨を販売する「第3世界ショップ」の奥谷京子さんが、能登の現状を取材するために、ちりんに何度か足を運んでくれました(以前、第3世界ショップに在籍していたことがあり奥谷さんはその当時の先輩です)。そして、一緒に奥能登全域を見て回り、進まない復旧・復興に愕然とすることもありました。

11月になり、輪島港が完全復活とはいかないまでも限定的に復旧され、いよいよ漁が再開できるようになるかという頃、輪島朝市の方への支援を行う奥谷さんに同行し、再び能登を訪れました。

そこで、輪島朝市に出店していた魚介干物を販売する細道さんのお話を聞くことができました。輪島朝市が無くなった今、多くの出店者、特に小さな業態だった方は販路がかなり制限され、いつ朝市が復活するのかと不安な日々を過ごされていることを知りました。

そんな状況を前から聞いていた奥谷さんは、自分達の顧客に向けて細道さんのカニや干物のセットの注文をすでに取っており、すぐに支援を形にされているのを見て、とても参考になり刺激になりました。

帰ってから私たちも周りの友人・知人、そして今まで泊まって頂いたお客様に向けてセットの案内をして注文をとる協力をさせていただきました。細道さんの干物はとても美味しくて買って頂いた方からも評判で、その後年明けに、Chirinとのセット商品「ちりん×輪島細道商店の干物とトート」を作り、現在も販売中です。

輪島朝市「細道商店」細道さん

輪島市洋菓子店「アンファン」さんとのギフトセット

そして2025年に入り、ちりんマーケットで販売するコーヒーと、お菓子をセットにしたバレンタインギフトセットを作るため輪島を訪れ、洋菓子店「アンファン」の小町さんと出会いました。小町さんのお店はおいしいお菓子を買えるほかに、支援物資をお店でお渡しするなども行なっており、輪島のママたちの癒しの場となっているそうです。企画をお話させていただき、1月末からギフト商品「ちりんの能登バレンタインセット」をリリースすることができました。全て県外の方に販売することができ、能登に触れてもらえる機会を一緒に作ることができたと思います。

洋菓子店「アンファン」小町さん

2025年は復興元年に!と石川県知事も言っています。これからも引き続き、Chirinをご利用いただく方や、いつもインスタグラムなどを見て頂いている方を中心に、能登の現状を知ってもらい、能登に来てもらえるよう発信していきたいと思っています。活動に内容はこのサイトにて掲載していきます。よろしくお願いします。